第4章 情報倫理

1情報倫理とは

{倫理}

 人間は、一人で生活する場合には自分の思うとうりの生活ができる。しかし、複数の人間が共同して生活する場合には、お互いの生活や人権の侵害をしないように、何らかのルールを決めることが必要になってくる。そのルールは、いわゆる人の生きる道から、もっとも強制力のある法律にまでおよぶ。
 
人間の生きる道は、いわゆる倫理の領域になるが、これは人類始まって以来、絶対的なものが存在しているわけではなく、人間が生存している自然や社会環境のもとに「守るべき道徳」として存在する。自然や社会環境が変わればそれにしたがって守るべき道徳も変化する。道徳とは人の踏み行うべき道で、ある社会でその成員の社会に対する、あるいは成員互間の行為を規制するもで、法律のような外面的な強制力を伴うものではなく個人の内面的なもの、と定義されている。

 

 

{情報倫理}

 人間は常に環境から情報を受け、それらの情報によって行動することを第1章でみた。これからの情報化社会では、情報ネットワークやその他の多彩なメディアを通して多岐にわたる情報が氾濫し、使用環境としてはネットワークコンピューティングとマルチメディア化が一層進展することが予想される。そして、それらの利用分野もこれまでのものと比較にならないほど多方面にまたがり、深く浸透するものと考えられる。
 人間は常にそれらの情報から強い影響を受ける。したがって、環境からの情報との関わりのおいて、適切な判断、決定、行動のとれることが重要な課題になってくる。情報の利用や取り扱いを間違えると、特定の情報に支配されたり、社会秩序の混乱や崩壊にいたるなどの危険性に陥る。
 一方において、コンピュータ犯罪、クラック、ハッキングその他の紛争も顕著になってきている。このような情報化技術がもたらす犯罪や事件に対して、技術で防ぐことも考えられるが、それはあくまでも応急処置的な解決方法となっている。重要なことは生活している人々の倫理による、犯罪や事件を未然の防ぐための予防措置と考えられる。これからの情報化社会においては、人間が主体性を持って情報化社会の恩恵を平等に享受するために、それなりの社会生活環境を設備することが必要であるが、同時に個人としての情報化社会における倫理を身につける必要がある。
 情報にかかわる違法行為に対して、法的な制裁を整備したとしても、技術との追い駆けっこになり、常に法的な整備が遅れることが予想される。そのため、このような考え方で違法行為が減少させるのことができるとは考えられない。法的な規制は必ずしも有効な手段とは思われない。必要なことは、お互いの生活や人権を侵害しないことであり、人倫のみちを守ることと考えられる。情報化社会における倫理、いわゆる情報倫理である。 

 次節では、RFC(インターネットの通信規約)1855番で示されている、ネチケット(ネットワークのエチケット)の和訳全文を提示し、情報倫理の最低限の指針を思案していただく。

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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